ヴェルドーを訪れて

可愛い笑顔で私達を迎えてくれた。
 ヴェルドを訪れたその日、五歳の息子さんも人なつこい笑顔で私たちを出迎えてくれた。畑やカーブ、あちらこちらを案内してくれながら、「今日は家族の日なので彼もご一緒します。
 どうかご了承下さい」とフォルトゥさん。その言葉にその日が日曜日で、家族の絆を深める日であることを改めて感じた。

 テラスでテイスティングを始めたとき、まだ五歳のJBが鑑定用のグラス片手に利き酒をして見せてくれた。

 こうやるんだよと、色を見て、香りを立てて、口の中でぶくぶく。もういっぱしだ。
「あ〜、それでJB、結論はどうですか?」
「おいしいっ!」
 もちろんさ!僕のパパが作ったんだよ!の口ぶりにどっと周囲が沸いた。
小さな彼が受け継げば次は五代目。
 昔は当たり前だった、親から子への技の伝承、今はそれすら、稀少で貴重な時代だ。
 おいしくて愛され続けるワインを目指して、父から子へ受け渡すべき最高の贈り物、時空を超えて誇れる家族の証明、ヴェルドーはそんなワインだ。

右側のおじさんが三代目。
真ん中が四代目のデイビッドさん。

JBのひとりごと

パパはワインをつくるひと
ときどき おきゃくさんがくる
ときどき おみやげをもらう らっきー
にちようは かぞくの日
だからぼくもおてつだい
はたけやいずみをいったりきたりで、 ふーっ
にちようは おやすみの日
けど ぼくは なかなか いそがしい

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