シャトー・デスクラック

無名にして、勝者の冠を戴く魂のワイン

 皇太子妃、雅子さまが嫁がれる最後の一家団欒でのディナーを飾ったのはシャトーメイネイ。クリュブルジョワ級という格付けを持つこのワインは最高位のものではなく、2番目のクラスといったところでしょうか。

ワイン通の実力をさりげなく語るセレクト
 とはいっても、世界最高峰の赤ワイン名産地の中でのその2番目ですから、世界赤ワイン数百万本中のベスト500ぐらいには軽ぅ〜く入っていたりする訳ですが…。
  しかし、メイネイの味わいの緻密さや作りの堅実さは世界のワイン評論家から惜しみなく賞賛され、その実力は最高格付けに値し、かつ驚異的な豊かさと個性を持つが、価格的にも大変良心的というパーフェクトな評価。
 このワインを愛飲する小和田家の知性と趣味のよさを、ソムリエ業の者なら誰でもさすがと思ったことでしょう。
 欧米生活の長さとワイン文化に慣れ親しんだご一家であってこそ、あえて最高位でなくその後位に当る物、しかし中身は最高位に同格。
 こんなゆかしく慎ましやかでワイン通の実力をさりげなく語るセレクトこそ、本当のおしゃれと言うものでしょう。

クリュブルジョワ級トーナメントカップ第1位

 毎年秋、フランスはボルドーで100以上のシャトーがしのぎを削るクリュブルジョワ級トーナメントカップ。いずれも実力者が一位の横綱番付をねらって物申すこの大試合で、輝く第1位という偉業を成し遂げたのは、他ならぬこのシャトーデスクラックでした。
 ボルドー精鋭146シャトーと小和田家の(?)シャトーメイネイもごぼう抜き。
 やはり市民の私たちとしては、大資本家コーディエ社の傘下で大切に護られ丹精されて来たメイネイのベスト12進出の健闘を横目で称えながら、たった一人でひたすらもくもくと汗を流し、孤独の闘いと無償の愛情の中から世に送り出された魂のワイン、このデスクラックを造ったムッシュー・ランデュローにこそ、大拍手と痛快なVサインを送ろうではありませんか。
 中身は最高位にして同格、その実力にして最高位、その名にして“ 天に心と腕に覚えある人ぞ、だれも知る ”このワインのセレクトこそ、“ 真の雅 ”というものでしょう。

 晴れの日は、贈る人も贈られる人も、こころゆくまでこの一杯で乾杯!


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